「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」~神曲、kihirohito節考

第2部オープニングより続く。

タイトル画面
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namak:「この門を潜るものは一切の希望を捨てよ」、おなじみダンテからの一節でございますけれども*1、ここでは伊藤さんにkihirohito節のルーツを探っていただこうと思います。よろしくお願いします。
伊藤:はい、えーと。
 ソワカちゃんの音楽って、すごいいろんなルーツがあると思います。今日はですね、特に僕もすごい好きなっていうか、kihirohitoさんと僕は実は同い年――でよろしいんですよね?――なんですけれども、80年代、いろいろノイズとかですねインダストリアルっていう、なんか音楽とかアンダーグラウンドなものがいろいろあったわけですよ。で、(突然、口調を変えて)君らなあ、あのなあ――アルコール入ってないのにね(笑)――みなさんですね、「ソワカちゃんかわいい」「おもしろい」と思って観てると思います。曲も「おもしろい」「カッコいい」、それは当然そうなんですけど、それはなんていうかですね、「カクテル」みたいなもんかなと思うわけですね。いろいろこう呑み易くなってる。その原液みたいなというかですね、だいたいその「ソルティドッグ」っていうのもカクテルで……、あれ何ベースでしたっけ?
礒村:ソルティドッグは……ウォッカじゃないですかね?*2
伊藤:ウォッカですかね。で、「僕らは昔、ウォッカそのまま呑んでました」みたいな感じのことをちょっとやろうかなと思ってます。それで私が割とそのインダストリアル・ノイズ担当みたいな感じなんですけど、他にもアンダーグラウンド……ちょっと私だけでは弱いということもありましてですね、もう一人、スペシャルゲストを急遽お呼びいたしました。宇田川岳夫さんに来ていただいております。

宇田川岳夫氏、登場。

伊藤:日本のアンダーグラウンド・カルチャー裏番長と、さっき僕は名前を付けたんですけど。マンガのほうでは「ふくしま政美ルネッサンスの会」とかをおやりになってた方で、そして世界のノイズバンドとかですね、宗教団体がやってる変なバンドとかの……研究でよろしいんですか? 復刻活動とか。あと、J・A・シーザーのタグでソワカちゃんに飛んできた人、結構いると思うんですけど、J・A・シーザーに関しては番長でいらっしゃる……
宇田川:まあ、シーザーは神ですよね。
monado:神です。
伊藤:神ですか。

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宇田川:僕の好きな三大アーティストですね。ひとつが《ヤホワ・サーティーン》〔Yahowha13〕ですよね。
伊藤:もういきなり分かんない名前出さないで……(笑)。
宇田川:それから次にJ・A・シーザーですよね。あと最近すごく好きなのが《カレント・ナインティ・スリー》〔Current93〕とか。
伊藤:もういきなり分かんないですよね……(笑)
宇田川:あと今来てるのが《レーザー・ストリップ》っていうバンドなんですけど。
伊藤:僕、今出た名前のうち3つは分かりますけど……。
宇田川:よく新宿で夜中にやってるイベント行きますと居ますからよろしく。〔こことは〕別の場所にいますので。
伊藤:ということで……どういう段取りで行こうかな。もうすでにgdgdって話もあるんですけど。(アヨハタに)すみません、動画の2の曲をちょっとお願いいたします。まずはですね、こういう曲を聴いていただきたいと思います。

SPK「Seduction」を上映。

宇田川:(曲が流れてる最中)ちょっとこれ日和った時代の曲なんですよね。ファンの間ではちょっと人気がないんですけれども、アルバムが。
伊藤:まあまあ、とりあえず。
宇田川:『Machine Age Voodoo』って、女性ボーカルとか入ったやつ〔アルバム〕ね。
伊藤:これを持ってきたのは僕の知識の中では……(アヨハタに)あ、ちょっと絞ってもらえますか。(音楽停止)あ、そうか、これフェードアウトとか音量絞ることできないんだっけこれ。これを持って来たのはですね、僕の知識の中では一番ソワカちゃんに近いからという感じで……まあボーカル入ったところでだったんですけども。えーと、《SPK》というバンドがございます。ソワカちゃんの中でもですね、ネタとして若干使われているという《SPK》、オーストラリア出身のノイズバンドです。79年でしたっけ?
宇田川:もうちょっと実は初期からやってるんですけど、日本に入ってきたのはその頃なんですよね。本当に素晴らしい――
伊藤:最初の頃は物凄いガリガリのノイズをやっていた。で、グレアム・レベルという男がいましてですね、この人、今はハリウッドのサントラを作っていて、『チャイルドプレイ2』とか、あとはなんだっけ、『ザ・クロウ』とか、すごいメジャーな映画で……割とB級なんですけど、やってる人だと。この人が元々ニュージーランドのオークランド大学でニーチェの研究とかをやっている哲学の人で、何故か精神病院の看護士になり、そこに入院していた精神病の患者のニール・ヒルっていうのとバンドを結成したのが《SPK》――
宇田川:そうですそうです。
伊藤:で、そのバンド名はさらにドイツのですね、1960年代にハイデルベルグ大学病院の精神科で結成された「社会主義患者集団」というのがありまして――これあの「ソワカちゃん疏鈔」をちゃんと見てる人は知ってると思うんですけど――「Sozialistisches Patienten Kollektiv」っていうのがあって……。これあのグルグルの前身の「Patienten Kollektiv Drei」〔PKD〕の元ネタでよろしいんですよね?
宇田川:だと思いますよ。
monado:さくしゃさん……?
kihirohito:え? ああ、はい。
monado:PKDの元ネタであるっていう……
kihirohito:だと思いますよ。(会場笑)
伊藤:〔kihirohitoさんの〕このクールさにどんどんやられていくわけですけど(笑)。えー、そういうバンドがあったわけです。その初期のやつをもう一曲お聴きいただきたいと思います。今の、お聴きいただいた「Seduction」というのは、そのノイズをやっていた《SPK》が、いろいろ売りに出ようと思って、当時流行ってたエレクトロ・ディスコの方へ行った。ベースが非常に効いてたりする、女性ボーカルの入れ方、それから非常にシアトリカル〔=演劇的〕でドラマティックな曲構成等々ですね、割とソワカちゃんに近いかなと思うんですが、その人たちが昔やっていた曲はどうなのか……
 これはあの「亡国浪漫 改」、リミックスの方のいろんな文字が、「徐州徐州」とか「大和がどうした」とかいろいろ文字が出るとこありますよね。皆さん、ご存知かと思いますが、あれの最後の行に「Kill, Kill, Kill for inner peace」、「殺せ殺せ殺せ、我々の心の平和のために」っていうフレーズが出てきます。それがその《SPK》の初期の「SLOGUN」という曲があります。先ほどのですね、「ソワカちゃん=カクテル」に例えるとですね、ウォッカの本当にキッツイとこ、火がバーッと点くようなお酒みたいな感じで……
 (アヨハタに)ちょっと音量下げずにかましてやってください。嬢ちゃん方にはちょいときついかも知れませんが、一発。(会場笑)

SPK「SLOGUN」を上映。会場どんびき。

宇田川:いやあ、なんかいいですね。
namak:生中継をご覧の皆さん、放送事故じゃないです。
伊藤:一応、歌が出てくるとこまでね……(さらに数十秒後)はい、もういいです。
宇田川:ブラック・メタルとかダーク・アンビエントとか、そういうの聴いてる人は「ああ、こういうの今あるな」という感じもすると思うんで、その走りなんですよね。これがもうちょっとリズムがあると、またいろんな曲になっていきますよね。
伊藤:こういうことをやってた人がポップになっていくという……
宇田川:これが映画の音楽とか作ってお金儲けてるんだからすごいですよね、本当に。
kihirohito:(話の腰を折られる伊藤氏を見て)ふひひ(笑)。
伊藤:あれ、えーと、どうまとめるんだっけ(汗)。
monado:その辺がソワカちゃんと関係――
宇田川:ソワカちゃんも将来そうなりますよ。
kihirohito:シナリオと違ってきてる(笑)。
伊藤:なんかいろいろと……(汗)
kihirohito:宇田川さん(笑)。
宇田川:だから、ソワカちゃんていうのは将来は《SPK》みたいな存在になるってことですよね。
伊藤:えっ?
kihirohito:えぇっ?
宇田川:いや、ソワカちゃんの音楽性というものにすごく注目してるんです。
伊藤:もう宇田川さんに譲りますんで、宇田川さん、どんどん語ってください。
宇田川:「噫無常」なんかの、チープなシンセのラインというか、わざと音色を少なくしたようなところが、すごくこうチップチューンめいてて好きなんですけど、どうでしょうか?
kihirohito:うーん、チップチューンは目指してるわけじゃなくて……まあ、本当のチップチューンはあるんですけれど、しょうがなくそうなっちゃってるというところはあるんですよね。(会場笑) 自宅の環境でやってる故に、あまり重厚な音が出せないとか。あと、あまり重厚なことをやる技術がないっていうとこですかね。
宇田川:でもなんか意外と重々しいメロディとかベースラインとか入ってるような気がするんですけど。
kihirohito:あー……どうですか、礒村さん?
宇田川:(礒村氏に)入ってますよね。
礒村:音色とかは、やっぱかなり選ばれてますよね。
宇田川:そうですよね、だからいいですよね。
礒村:チープなんですけど、一個一個の音が組み合わせが面白いというか。
宇田川:洗練されてる感じがしますよね。
kihirohito:あー、そうですか。
宇田川:環境を最大限に使ってるという感じがしますよね。
kihirohito:なんでそんなすごい顔を見て〔凝視して〕喋るんですか(笑)。
宇田川:いや、なんか見ないといけないかなと思って……今日しか見れないかも知れないし(笑)。どういう環境で作ってるかって、皆さんご存知なんですか? まとめサイトに書いてあるんですか?
kihirohito:書いてありますね。
宇田川:あ、すみません。見てなくて……
kihirohito:いや、書いてないです。(会場笑) どういう環境で作ってるか? 自宅の貧乏くさいところで……
宇田川:限られた環境で作ってるという感じがするんですけれども……
kihirohito:限られた環境で作ってますよ、ええ。
宇田川:限られた環境で限られた時間の中で作って……
kihirohito:まあ、そうですね。
宇田川:そこに全てを集中してるんですよね?
kihirohito:うーん、というか基本的にドラムとベースとボーカルがあればいいだろう、とは思ってるんですよね。
宇田川:ドラムとベース、ボーカル……(と、伊藤氏を見る)。
伊藤:なんで僕の方を(笑)。
宇田川:すごいですよね、これだけでやっちゃうってとこがね。
kihirohito:まあ、なんか足すとあんまりいい感じじゃないなってときはありますけどね、ええ。
伊藤:でもソフトとかすごい一杯お持ちなんじゃないんですか? どうなんですか?
kihirohito:そうですね、あのワードとかエクセルとか。(会場笑)
伊藤:そうきたか(笑)!
宇田川:ワードとエクセルではちょっと曲は作れないと思いますけどね(笑)。
kihirohito:いやいや、音楽ソフトはそんなに持ってないですよ。
宇田川:本当にあるものだけで作ってるけど、いいですよね。どうなんですか、今回DVD出るわけですけど、音なんかも新しく書き下ろすとかそういう……
kihirohito:音はこちらの礒村さんに……
礒村:音は元々は、ニコニコとかにあがってたのは、ご自分でMIXもされてたんですけど、今回はパラで僕がデータをもらって、一応MIXまでやらせていただいたんですけど。はい。
宇田川:非常に期待できそうですね。
礒村:ありがとうございます(笑)。
kihirohito:どこの回し者ですか(笑)?
宇田川:僕、思うんだけど深夜のイベントで、観客の人が、出演者の話を二時間座って聴いて寝ないっていうのは、すごいイベントですよね。
kihirohito:そんなもんなんですか?
宇田川:(他のイベントなら)いまごろ踊り疲れて倒れてる人とか居ますよ。
kihirohito:それイベントの種類が違うんじゃ……
宇田川:ま、種類が違うんでも、みんな別な意味で覚醒しちゃってますからね。霊的に覚醒してますよね。(会場笑) 霊的な面でいうと、ソワカちゃんの音楽ってどうなんですか?(会場爆笑)
namak:随分な無茶振りですね(笑)。
宇田川:だって例えばバックに「霊主體従」とか言葉が出たり、あと後ろに「SOL INVICTUS」とか「SOL IPSE」なんて、《デス・イン・ジューン》〔Death in June〕とか《カレント93》から拾ったような歌詞が入ってたりするじゃないですか。
kihirohito:ま、拾ってるんでけどね。
宇田川:あ、やっぱ拾ってるんですか。(会場笑) 《カレント〔93〕》好きだったんですか?
kihirohito:《カレント》好きかって……(汗)
伊藤:はい、ちょっと注釈。《カレント93》っていうバンドがイギリスにいてですね……
宇田川:あ、来日したことありますから大丈夫ですよ。
kihirohito:いや、名前は知ってるんですけど、あー……聴いたことないです、ごめんなさい。
宇田川:いえ、聴かなくていいと思います。
伊藤:でも一応アレイスター・クロウリー繋がりで一応ソワカちゃんと繋がってくるんですよね。
宇田川:そうなんですね。そういうものを崇めてる人たちが音楽やってて、先月までライプチヒでライブやってたりしてですね、ドイツでね……
伊藤:宇田川さんその辺で。〔音源を〕用意してませんし。
kihirohito:そうですね。ノイズ・ミュージックの源流は一つはバロウズ、一つはアレイスター・クロウリーなんですよね。《スロッビング・グリッスル》〔Throbbing Gristle〕もやっぱりアレイスター・クロウリーの影響下というのは……
伊藤:そこで《スロッビング・グリッスル》の名前が……ネタ仕込んでたの忘れてたよ、俺!(と、シャツを脱ぎ、サイキック・クロスの描かれたTシャツ姿に)
宇田川:(伊藤氏の動きに気付かず)クロウリー好きな人多いですよね、あの時代のというかノイズ初期でやった人たち……
kihirohito:クロウリーのネタも出てくるんですよ、ソワカちゃんにも。
宇田川:あー、いいですよね。
kihirohito:見ました?
宇田川:うーん……(会場笑)
kihirohito:まあ、ネタといっても大したネタじゃないですけどね。
宇田川:クロウリーって音楽やってたんですかね?
kihirohito:やってたんですかね、わかんないですね。
宇田川:謎ですよね。
伊藤:すごい、いきなりディープな方へ……
monado:クロウリーのポーズ(と、両拳をコメカミ付近へ)が音を発しそうな感じのポーズですよね。
宇田川:しますよね。 
kihirohito:あー、はい……(gdgdな空気が流れる)
宇田川:(伊藤氏に)何を言いたかったかちょっとまとめてください(笑)。
伊藤:まとめるとねえ、あのー……
kihirohito:伊藤さんの目論見と違ってるんじゃ(笑)。
伊藤:全然もう変わってる(笑)。もう最初から〔宇田川さんに〕飛ばされてるんで……だいたいこのネタを仕込んで来てて、最初から使おうと思ってたのに忘れてたよという(と、Tシャツを示す)。
宇田川:いいですね、このTシャツ。
伊藤:《サイキックTV》のね、サイキック・クロス。
monado:これ、半年後に開きますからね。
namak:あー、秘密の扉がね。
伊藤:11話のね。これ、本当はね、この真ん中にどーんとあるやつが欲しかったんですけど、お店で訊いたら「それ売り切れちゃっててメーカーに発注掛けてます」とか言われて。これ、元ネタが《サイキックTV》というバンドで、後ろに《サイキックTV》って書いてあるんですけど……
宇田川:この《サイキックTV》を作った人は男性だったんですけど、今は性転換しちゃって……
伊藤:ジェネシス・P・オリッジっていう人ね。
namak:(話を止めようと)すみません……
宇田川:いろいろと複雑な人がいるんですけど……
namak:えーと、すみませ……
宇田川:最初、《スロッビング・グリッスル》っていうバンドを結成するんですけどね……
namak:えー、す み ま せ ん。盛り上がってるところ大変恐縮なんですけど……
伊藤:あ、もう時間が……
namak:実はこんなところにですね、護法少女ソワカちゃんのDVD、『乗の巻』があるわけです。(会場歓声) 今回流す動画は、これにDVD特典として収録されている「修羅礼讃」のスペシャルアレンジバージョン、特別先行公開ということでですね……(会場拍手)
 DVDの魅力について、礒村さんにお伺いしたいところではあるんですけれども時間も限られてますので、このリミックスについて聴き所なんかをお伺いしたいと思います。ずばり、「修羅礼讃リミックス」聴き所はどこになるんでしょうか?
礒村:ずばりですね、一応コンセプトが「無駄にお洒落」という感じでですね(笑)このkihirohitoさんが一番やらなそうなアレンジっていうのを僕は狙ったつもりなんですけれども、その辺、ちょっとどうでしょうかという感じで……
namak:なるほど、さくしゃさんが絶対やらないような意外性、お洒落さ。その辺に注目してご覧いただこうかなと思います。では動画のほう、よろしくお願いします。「修羅礼讃」。

「修羅礼讃リミックス」を上映。会場見入る。

伊藤:(上映終わって会場喝采)すごい!
namak:おしゃれですねー! いやー、DVDこれもう一人前買わないと。ねえ、皆さん。
伊藤:これ、すごいですねぇ。
namak:伊藤先生、どうですか?
伊藤:すごいですね、びっくりしました。これは、曲の方は礒村さんがリアレンジされたということですよね?
礒村:そうですね、はい。
伊藤:kihiroさんは、それは特にいじられて渡されたというわけでは……
礒村:まず僕のほうで適当にこういろいろ、こんなんどうかなってやってみて、そのまま投げてそれにあわせて〔動画を〕作ってくれたという……
伊藤:なるほど。
kihirohito:お洒落の限界を目指しました。(会場笑) 自分の中のお洒落の。
伊藤:ブレイクの入れ方とかカッコいいですよね。しかも笑いのツボがピシピシと入ってる。
kihirohito:笑いのツボって(笑)。
伊藤:いやこう3方向から……
namak:1カメ、2カメ、3カメが、ね。
伊藤:すごいですね……声が出ないという感じで……
namak:言葉も出ませんけれども……(と締めに入ろうとするが)
伊藤:でも昔はノイズバンドやってたんですよね?
kihirohito:ノイズバンドというか要はパンクバンドがあまりに下手糞なのでノイズになってしまったという。(会場笑)
伊藤:それが《ゲロ》*3時代?
kihirohito:《ゲロ》は純粋にノイズを目指しましたね。壊れたシンセと、ただ絶叫するっていうパフォーマンスみたいなことですね。
伊藤:そういうスピリッツが、お洒落な方へ底流として……
kihirohito:あーそうですね、はい……「そういうスピリッツが、お洒落な方に底流として」……?
伊藤:あるんじゃないかという適当なまとめです(笑)。
namak:ニュアンスで感じましょう(笑)。
伊藤:要はノイズをやってた人っていうのは……僕の持論なんですけど、ノイズとかアバンギャルドやってた人がすごいポップなほうへ行くと、すごいいいモノを作るという傾向が……
kihirohito:あー、そうですかね……あ、グレアム・レベルとか?
伊藤:そうそうそうそう。
kihirohito:でも《SPK》のファン、ノイズ界からは「そっち」に行ったってことで批判されたりというのはありますよね。
伊藤:そうそう、Youtubeとか見るとポップな時期の曲とか、すごい糞味噌にいわれててすごい悲しいんですよね。かわいそうなんですけど……
kihirohito:あんまり、そういう意味ではグレアム・レベル自体は評価されてないのかなと思うんですけど。商業的には成功してるかも知れないけど。
伊藤:商業的にも、あんまりあの頃は成功していなかったですよね。その後、サントラやるようになって商業的に成功した。あと、kihirohitoさんがインタビューで名前を出されていたジム・フィータース〔Jim Foetus=《Foetus》〕って人がいるんですけど、この人も最近はアメリカのアニメのサントラとかやってる。なんかこう、80年代アバンギャルドとかを通過した人っていうのはそういうポップなほうへ行くという……
kihirohito:《Foetus》もそうですね、ノイズの後ろにストリング流したら批判されたりしてますよね。
伊藤:ノイズの人って、そういう了見狭い人だよね。
kihirohito:「悪意が足りない」とか批判されたり(笑)。
namak:話は尽きないところではございますけれども、申し訳ありませんが……
kihirohito:こんな話、面白いんですかね。
namak:まあ、お客さんの大半はぽかんとしながら笑って聞いてるんですけれども、第2部、一つ目のテーマはこの辺で終了ということで。残念ながら礒村さんと宇田川さんはここでお別れということになります。
伊藤:ありがとうございます、どうも。
namak:素晴らしいアレンジをしてくださった礒村さんと、熱く語ってくださった宇田川さんにもう一度大きな拍手をお願いしまーす。(会場拍手) ありがとうございました!

礒村氏、宇田川氏、退場。tricken、入れ違いで登場。

伊藤:宇田川さんと俺ね、器の違いとかを見せつけられた感じがして(笑)。
tricken:(「修羅礼讃リミックス」について)いやあ、ブラック・ミュージックぽかったですね。kihirohitoさんがそういうサウンドを作れるとは……
kihirohito:いや、自分で作ったわけじゃないですよ(笑)。
tricken:もちろん、それは分かってるんですが(笑)すごい文脈が全然違うところで。なんかニコ生でも結構「すごい」「感動した」というコメントがあったって。
monado:見てたの?
namak:見てたんだ。
tricken:いや、私は見てなかったんですけど、ちょっとスタッフの方に聞いて。反応すごく良かったらしいですよ。
namak:そんな音楽の話をし出すと、また宇田川さん戻って来ちゃうので(笑)。
tricken:あー、そっかそっか、すみません(笑)。
namak:次のテーマに……さくしゃさん、飲み物、大丈夫ですか?
kihirohito:monadoさんからビールをもらいました。
namak:monadoさん、飲み物のほうは?
monado:バランタインの水割りが呑みたいなあ。
namak:あー、すみません、バランタインの水割りをお願いします。
tricken:じゃあ私、タンカレーのロックで。
namak:タンカレー、ロックお願いします……僕、注文係なんでしょうか(笑)。それと僕にピクニックを一つください。(会場笑)
 実はですね、この時間からタイムセールとしてですね、ピクニックを頼んだお客様になんと! カニパン一袋、2個入りが付いてまいります。僕、カニパン食べたくてピクニック頼むんですけれども……あの、こちらの未秘ちゃんは喋れないので僕に代わりに注文させるわけです。ピクニック、もう一つお願いします。(会場から「未秘ちゃん、かわいい」の声)かわいいですね。
tricken:かわいいです。
namak:ピクニックが来る前に、そろそろ次のテーマに行ってまいりたいと思います。

第2部 その2へ続く。


*1 ソワカちゃんOPを地獄の門にたとえている記述がある。 kihirohito,2008,「病者の光学だよソワカちゃん」『逆転写無縁仏』(http://blogs.yahoo.co.jp/sowaka_chan/archive/2008/12/12,2008.12.12).
*2 カクテル専門webサイト『100%カクテル』によれば、元々ジンベースだったのがウォッカベース主流になったという。参考:http://www.misichan.com/cocktail/d/word_%A5%BD%A5%EB%A5%C6%A5%A3%A5%C9%A5%C3%A5%B0
*3 kihirohito氏がかつて結成していたバンド。第一回電奇梵唄会で言及された。

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Last-modified: 2010-05-03 (月) 00:00:00 (2521d)