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シリーズ概要

前回の電奇梵唄会特設サイトより転載させていただきました。

一応、初めて「護法少女ソワカちゃん(以下ソワカちゃん)」に触れる方、または名前くらいは聞いたことあるけど、きちんと作品を観たことが無い人、その歴史を知らない人に、時系列に添いつつも掻い摘んで、これまでの流れを説明をさせて頂きます。ニコ動の「ソワカちゃん」をご覧になった人の中には、「護法少女ソワカちゃん」という12chで本当に放映されているアニメ番組のパロディだと誤解している方も、いらっしゃるような話も耳にしますし、本作がどういった素性の作品かを改めて解説し、検証する意味でこうしたページを設けました。


最初は作者の気まぐれで始まった

「ソワカちゃん」は2007年8月にクリプトン・フューチャー・メディアから発売されたDTMソフトウェア・VOCALOID2「初音ミク」と同社のVOCALOIDソフトによる歌(オリジナル曲と詞)をベースに、楽曲をDTMソフト「FL STUDIO」、描画をフリーソフト「PictBear」、動画を「FlashMaker(現MotionMaker)」にて制作された、完全個人制作の「歌ものアニメ(※1)」のシリーズ作品です。
作者は奇才kihirohito氏。ニワンゴの提供する動画共有サイト「ニコニコ動画(SP1)」で作者自らの投稿動画として、昨年(2007年)10月より一般のニコニコ動画ユーザーに向けて公開されています。

第1作目の『【初音ミク】護法少女ソワカちゃん【オリジナル】』がニコニコ動画とYoutubeに投稿された10月当初、本作はまだ、架空の「魔法少女系アニメ」のPVを模した、ある種の「初音ミク関連の面白動画」として、作者の気まぐれで制作・投稿されたようでした。しかしその内容と作風の奇抜さや本編全体に散りばめられた小ネタやギャグにより、非常にマニアックな愛好者がその作品性を評価。同年10月末にはSNSサイトmixiに「ソワカちゃん」コミュニティが、ぴぺ氏(※2)によって設立されます。
翌11月中旬、同コミュメンバーSaltyDog氏によって、まとめWikiサイト「ソワカちゃん疏鈔」が設立。本作品に込められた作者のメッセージと、その小ネタを解明・解説することで、ネットに散らばっていたニッチな「ソワカちゃん」ファンに注目されます。
同11月後半には、やはり同コミュメンバーのブルカニロ氏によって「着うた・着メロサイト」が開設され、同12月初旬には2ch「心と宗教板」に専用スレッドが立ち、VOCALOID系SNSには単独コミュニティが立ちます。

 

ファンの声によってオリジナルアニメとして確立

そうした頃から、ファンの人たちの捉え方として、作者当初の『ネタとしての「架空のアニメヒロイン」』という設定や、普通一般的に括られるであろう『「初音ミク」派生キャラ』などを超越しつつ、独立した「ソワカちゃん」と言うひとつのオリジナルアニメーション、エンターテイメント作品として成立。「ソワカちゃん」の持つ物語性や世界観、脇役を含めたキャラクター性の拡がりなども徐々に明らかになってゆき、そして毎回の物語ごとに設定された多岐に渡るジャンルの楽曲(挿入歌・第○話の歌)も、歌詞、曲、アレンジ等も含め熱い支持を受けます。投稿される順番が、話数順(時系列)でないと言う点も、(他にそうした作品が無いわけではありませんが)やはり独特のスタイルだったと思います。

更に年が明けた2008年、更新サイクルは早まり、更には本編の外伝的なニュアンスを含んだ「夢の旧作」シリーズを公開。こちらは基本的には、作者がストックしていた曲にアレンジを加えて公開されたもののようで、そうした意外性(発表作の別展開と言う意味で)も手伝い、更にファンを拡大。その楽曲を「歌ってみた」したり、本編キャラクターを「描いてみた」したり、登場キャラクターを使ったオリジナル外伝動画を投稿するなど2次創作を楽しむ人たちも現れます。
その後、カバー曲、VOCALOID系ネタ曲などを含んだ「袋のままで行く」シリーズも公開。「ソワカちゃん」本編とは直接関係のない作品とも言える投稿に、注目が集まることになります。現在もニコニコ動画にて公開中の本作は、そうしたプロセスを経てファンの輪を広げて行くことになりました。

 

ソワカちゃんが紡ぎだす物語の顛末とは

また、2008年2月のインディーズ系アニメ情報サイトanimeflash(アニメフラッシュ)での作者のインタビューでは、そうしたファンのニコニコ動画上のコメントや、SNSサイト、掲示板サイトへの書き込み、まとめWikiサイトの設立などが、作品制作のモチベーション向上に関与していたことを、作者自らが語っています。そう言う意味では本作は、作者自身の並外れた才能と創作意欲は勿論ですが、ファンの声の後押しによって育まれたエンターテイメント作品であると言えるのかもしれません。
とは言え、同インタビューや当サイト「イベント名の由来」でも語られるように、作者には「確実に表現したい何か」があったのは確かで、ファンの声がその語るべき何かを後押ししているに過ぎないわけで、我々ファンとしては、未だ結末を見ない本作の今後が非常に楽しみで仕方ありません。

そして、当サイトトップページでも記載しましたが、2008年4月、作品を大きな画面でファンの皆さんと一緒に観てみたいという有志の呼びかけによって、同年8月の上映イベント開催に至ります。当初、作品が完結してからの上映の方がいいのではないかとの話し合いもありましたが、作者の「いつ終わるか分からない」との見解に、「それなら終わっていなくても構わないから、とにかくやろう!」という方針に固まり、現在に至ります。
上映イベントまでに完結して欲しいような、いつまでも完結して欲しくないような...。それは作者さんだけが知っていること。否、キャラクターが勝手に動き出しているらしい今の状況では、作者kirohito氏にさえ、それは分らないことなのかもしれませんね。

 

animeflashライター 亜樹28号/2008年5月22日 



※1:「歌ものアニメ」は、NHK「みんなのうた」やCX「ひらけポンキッキ」挿入歌「およげたいやきくん」などの歌詞と作画が連動した動画(アニメーション)のこと。こうした「歌ものアニメ」が、大きな流れを持ったシリーズ連作として作られたのはプロ・アマを問わず非常に稀なケースだと思います。もしかしたら「ソワカちゃん」が初めてかも知れません。
※2:kihirohito氏本人が「ソワカちゃん」をYoutubeに投稿したのは、第1作のみ。2作目~4作目は不明ですが、それから後のyoutubeへの投稿は「夢の旧作」「袋のままで行く」シリーズを含め、mixi「ソワカちゃん」コミュ管理人ぴぺ氏によるものです。